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岡崎 武志・評『ふるさと東京 今昔散歩』『風景と自由 天野健太郎句文集』ほか
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今週の新刊
◆『ふるさと東京 今昔散歩』坂崎幸之助・生田誠 著(フォト・パブリッシング/税別1500円)
日本の絵はがきは、明治33年に私製はがきの国内使用が許可され、一般に普及。日露戦争のプロパガンダ、広告、観光などさまざまな分野で大衆に広まっていった。
坂崎幸之助・生田誠『ふるさと東京 今昔散歩』は、古い絵はがきに写された町を、現在の町並みと比べ鑑賞する試み。その第1巻は「浅草編」。生田が所蔵する画像を開陳し、絵はがき仲間の坂崎が協力して生まれたムック本だ。
浅草は戦前まで東京随一の盛り場で、江戸の名残のある浅草寺を中心に、雷門、十二階、花やしき、映画演劇の興行街が並ぶ夢の殿堂であった。仲見世一つとっても、明治期から昭和戦前期と戦後期ほか複数の絵はがきを掲載する。まだモノクロ時代、着色されることで、風景が鮮やかで優雅だ。
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