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社説

日韓対話の動き 情勢変化を打開の契機に

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 日本と韓国の政治対話が再び動き出した。

 韓日議員連盟の金振杓(キムジンピョ)会長や、韓国情報機関トップの朴智元(パクチウォン)国家情報院長が相次いで来日し、菅義偉首相らと会談した。日本からも日韓議連の河村建夫幹事長らが先月訪韓している。

 日韓関係は1965年の国交正常化以降で最悪の状況にある。現状打開への政治的意思を改めて確認したことは評価したい。

 米大統領選で民主党のバイデン氏が当選を確実にしたことで、日韓両国を取り巻く国際情勢は大きな変化に直面しようとしている。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、トランプ米大統領と3回の首脳会談を行った。制裁解除を引き出すことには失敗したが、トップ同士の取引を好むトランプ氏の個性を都合よく使った形だ。ただ北朝鮮の核問題は結局、進展を見ないままになっている。

 バイデン政権になれば、北朝鮮は戦略の見直しを迫られるだろう。米国の関心を引き、自らの交渉力を高めようと、軍事的挑発を繰り返す路線に立ち返る可能性も否定できない。

 バイデン氏は同盟を重視しており、対北朝鮮政策では日米韓の連携が今まで以上に重要となる。

 一方、米中対立はバイデン政権になっても続きそうだ。対立のはざまで難しい対応を迫られる日韓の立場は共通している。

 こうした情勢変化の中で、日韓関係の悪化を放置する余裕は双方にない。

 最大の懸案である徴用工問題では、韓国側が前向きな対応を取る必要がある。韓国で差し押さえられた日本企業の資産の現金化が実行されてしまえば、さらなる対立激化は避けられない。

 ただ、韓国を一方的に追い込めば解決できるものでもあるまい。

 韓国の1人当たり国民所得は日本と肩を並べるまでになった。力関係の急速な変化が関係悪化の遠因となっていることを認識し、相手の体面を保ちつつ事態打開を図っていく必要がある。

 現状の厳しさを考えれば、一朝一夕に状況を好転させることは難しいだろう。しかし両国関係の安定は互いの国益に資する。情勢の変化を踏まえ、長期的な視点から対応していくべきである。

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