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号外東京で新たに570人が新型コロナ感染
第70期王将戦リーグ特選譜

「完全ではない」羽生九段が1敗を死守 退院後の対局で木村九段を破る

木村一基九段(左)に勝ち、感想戦で対局を振り返る羽生善治九段=東京都渋谷区の将棋会館で2020年11月17日午後6時45分、吉田航太撮影

 「発熱のため羽生善治九段が入院、竜王戦第4局は延期」の報に驚いた方は多いだろう。日ごろから健康管理には気を付け、2000局以上も対局してきた羽生には珍しい出来事だった。病名は無菌性髄膜炎と診断され、11日に入院、14日に退院して17日の本局には通常通り臨むことになった。20日に王将戦リーグ最終局(豊島将之竜王)、23日にA級順位戦(佐藤康光九段)、延期となった竜王戦第4局(豊島)は第5局の日程だった26、27日に行われる。

 10年ほど前の新型インフルエンザ流行の際に、日本将棋連盟では事前に申告すれば不戦敗にしない規則を作った。それまでは「はってでも行く」的な考え方があって、申し出るのは損と見る雰囲気があった。しかし、新型インフルエンザの頃から、無理して対局して周囲に感染させたりする方が問題という考え方になり、今回の新型コロナウイルス感染拡大にあたっては、当日の朝に申し出ても不戦敗にしないことになった。今回の羽生のケースも極力影響を少なくしようという趣旨だったと思われる。【山村英樹】=▲が先手、△が後手

<第70期大阪王将杯王将戦リーグ5回戦>

2020年11月17日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲羽生善治九段(3勝1敗)

△木村一基九段(4敗)

▲7六歩  △8四歩  ▲6八銀  △3四歩

▲7七銀  △6二銀1 ▲2六歩1 △4二銀1

▲2五歩1 △3三銀  ▲4八銀1 △3二金1

▲5六歩1 △5二金1 ▲5八金右1△4一玉1

▲7九角1 △7四歩1 ▲3六歩1 △5四歩4

▲6六歩1 △7三桂3 ▲6七金1 △6四歩2

▲7八金1 △6三銀2 ▲6九玉2 △1四歩6

▲9六歩9 △4四銀8 ▲3七桂5 △5五歩13

▲同 歩2 △8五桂30 ▲6八銀5 △5五銀6

(第1図)

 羽生は3連勝から永瀬拓矢王座に敗れて、今期リーグ初黒星を喫した。全勝の2人、豊島、永瀬を追ってまだ挑戦の可能性はある。木村は4敗を喫して陥落が決まった。

 羽生は普段とさほど変わらない様子で対局室(大広間の高雄)に現れ、木村も普段通りに着座した。羽生の復帰対局という重苦しさは感じられず、定刻に対局が始まった。

 特別対局室で同時に始まった全勝対決の豊島―永瀬戦と同様に矢倉の出だしとなったが、特別対局室の脇システムとは違って、後手番木村が急戦矢倉を採用した。「先に攻めようと思ったが……」と木村。羽生は「駒がぶつかる前までは前例のある形で、一度やってみたかった」と局後に話した。

 木村は5筋を突き捨ててから△8五桂と跳ねて仕掛けた。2二から角筋が利いている。急戦矢倉の基本形は8筋の歩が8五に突き越してあるが、本局は8四で止めていたのが工夫。だが、「攻めさせられている感じになってしまった」と局後に語っていた。

 第1図以下の指し手

▲8八角2 △7五歩13 ▲8六歩16 △3五歩8

▲2四歩20 △同 歩  ▲同 飛  △3六歩7

▲2五桂6(第2図)

 ▲8八角と元の位置に戻した手が間接的に後手の角筋の防ぎになっている。後続手段の△7五歩に対し、「8五の桂を取り切れるかどうかが勝負と思った」羽生は桂取りに▲8六歩。ここ…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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