新型コロナで虐待「潜在化」の恐れも 児相は体制強化急ぐ 相談件数最多

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厚生労働省=東京都千代田区霞が関で
厚生労働省=東京都千代田区霞が関で

 厚生労働省は18日、2019年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数が前年度比21・2%増の19万3780件(速報値)に上ったと発表した。1990年度の統計開始以来29年連続で最多を更新した。前年度からの増加数も3万3942件で過去最多となった。

「虐待が見えにくくなっている恐れ」

過去最多を毎年更新している児童虐待の相談件数に対応するため、全国の児童相談所(児相)は体制の強化を急いでいる。そんな中、新型コロナの感染が拡大した今年4月以降は、前年同月に比べ相談件数が減少する月が出るなど、増加率が鈍化した。児相の現場は、虐待が減ったのではなく休校や外出自粛などで虐待が周囲から見えにくくなった「潜在化」の恐れもあるとして、対応に頭を悩ませている。

 厚生労働省は2022年度までの4年間で全国に3235人(17年度時点)いた児童福祉司を約5260人に増やす方針。今年4月までに既に約1000人が増員され、今年度中には約4600人になる見通し。

 児相も増えている。任意で設置できる東京23区と中核市のうち、今年度は江戸川、世田谷、荒川の3区が新設。21年度は港区、中野区に加え奈良市も新設予定で、今後「設置する方向」と表明しているのは13区、「設置の方向で検討中」は11市区に上る。

 設置が義務づけられている都道府県にも増設の動きがある。茨城県は今年度、児相を2カ所増やして計5カ所体制とした。保護が必要な子どもに素早く対応できるようになったという。

 一方で同県は、県内のコロナの感染者が増えた3月以降、相談件数が前年を下回る月が目立ったことに警戒を強めている。県青少年家庭課は「休校のほか、外出自粛などで外部との接点が減り、虐待が見えにくくなっている恐れがある」と語る。児童福祉司による家庭訪問の強化のため、後方支援にあたる事務職員の臨時雇用を進めている。

 江戸川区の児相は、…

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