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社説

コロナと文化芸術支援 もっと使いやすい制度に

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 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた音楽や演劇、演芸といった文化芸術活動が再開している。しかし、それにかかわる個人や団体はなお厳しい状況にある。

 国は活動を継続するために総額約460億円の支援制度を設けたが、十分に行き届いていない。

 文化庁によると9月末までの3次にわたる募集で、申請は約5万4000件にとどまる。すべて採択されても推計で250億円前後と、予算の5割ほどでしかない。

 この制度は、個人や小規模団体を対象に活動経費を補助するものだ。取り組みや規模に応じて最大150万円が助成されるが、3分の1または4分の1の自己負担が求められる。

 申請件数が伸びない原因として指摘されるのが、制度の複雑さだ。申請内容の不備なども多く、採択まで時間がかかるケースがあるという。文化庁も個人に対する支援は初めての試みであり、審査する側の不慣れを認める。

 日本俳優連合のアンケートでは、6割以上が申請していない。自己負担金が用意できない、差し戻しが多くて困惑しているなどといった声が上がる。本当に困っているところに届いていない。

 先月半ばに演劇、ミニシアター、ライブハウスの3者が文化庁と財務省に、自己負担金のない定額補助にするなどの改善を求めた。

 文化庁は25日から新規募集を始める。共同申請がしやすくなるなど一定の改善がなされたことは評価できる。

 しかし、自己負担が必要であることは変わっていない。補助率の見直しや補助の上限額の引き上げなど、工夫する余地があるのではないか。

 文化芸術は「不要不急」と言われ、中止や延期を余儀なくされた。しかし、再開後の劇場や映画館は活気にあふれている。これは、生きるために文化芸術が欠かせないことの証左だろう。

 感染防止のため客席減や消毒、検温といった防疫対策がとられてはいるが、感染者が出れば公演中止や延期というリスクを常に抱えている。

 活動継続のためクラウドファンディングを実施している団体もあるが限界がある。公的支援が不可欠という認識を共有したい。

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