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社説

参院1票の格差「合憲」 安堵せず抜本改革議論を

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 選挙区の「1票の格差」が最大3・00倍だった昨夏の参院選について、最高裁が合憲と判断した。

 この選挙に向けた制度改正は、埼玉の定数変更にとどまり、格差の縮小はわずかだった。

 それでも最高裁判決は、合区を維持しており、格差縮小の方向性は変えていないと評価した。

 2016年の参院選は、「鳥取・島根」「徳島・高知」を初めて合区した。格差は最大3・08倍に縮小し、最高裁は「違憲の状態を脱した」と結論づけていた。

 一方で16年選挙の枠組みを定めた公職選挙法の付則は、昨夏選挙に向けて制度を抜本的に見直し、必ず結論を得ると明記している。

 判決は、国会の取り組みに大きな進展はないとしつつも、改革には時間がかかると配慮を示した。

 ただ、15人の裁判官のうち4人は、違憲状態や違憲との意見を付けた。格差是正の取り組みは全く不十分だなどと指摘した。

 そもそも昨夏選挙に先立つ制度改正は自民党の党利党略によるものだ。合区ではじき出される形となった候補者を救済するため、比例代表の定数を4増して優先的に当選させる「特定枠」を設けた。

 埼玉の2増を含めた定数増には他党を懐柔する面もあった。抜本的な見直しとはとても言えない。

 合区の弊害も生じている。昨夏選挙では合区対象の4県のうち、3県の投票率が過去最低だった。

 大都市に人口が集中し、地方の過疎化が進む傾向は続いている。都道府県を選挙区としたままでは格差の拡大は避けられない。

 最高裁は近年、この仕組みを改めるよう求めている。合区を重ねることには限界があるだけに、抜本的な改革がなければ、再び違憲状態と指摘されかねない。

 まずは、参院のあり方について議論すべきだ。解散がなく任期の長い「熟議の府」として、存在意義や衆院との役割分担を明確にしていく必要がある。

 自民党は憲法改正の4項目の一つとして、参院議員を各都道府県から最低1人ずつ選ぶ規定を提案している。しかし、改憲を論議するのならば、参院のあり方こそ問い直すべきだろう。

 合憲判断に安堵(あんど)して、抜本改革に向けた議論を先送りしてはならない。

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