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「女帝」と呼ばれた第一生命職員 異様な影響力で集めた19億円

第一生命保険の元営業職員が顧客に渡した手書きの借用証のコピー。被害弁護団が報道機関に公開した=2020年11月17日、三上剛輝撮影

 第一生命保険の営業職員だった女性(89)が顧客24人から計19億円超を不正に集めていた問題は、被害額の大きさに驚かされるだけではなく、顧客の信頼を得ていった経緯など不可解な点が多い。謎に迫ろうと取材を進めると、地元で「女帝」と呼ばれるほど政財界に食い込んだ元職員の異様な影響力が浮かび上がってきた。

 2016年2月末、山口県周南市の神社の境内にある会場で、とあるパーティーが開かれた。詰めかけたのは市長経験者や金融機関幹部ら大勢の地元有力者だ。それほどの面々を集めた主役は、政財界の重鎮ではなく、第一生命の営業職員(当時)。彼女の勤続50周年を祝う会だった。「選挙応援にも精力的で、地元の政財界で有名」だった元職員の人脈を見せつけるような場だったと、出席した地元議員は振り返る。

 元職員は周南市出身で1965年に第一生命入社。多くの営業職員と同じように地域限定で採用され、転勤はなく50年以上にわたって山口県内で保険を販売していた。成績は全国に約4万4000人いる第一生命の営業職員の中でもトップクラスを誇った。生保業界で優れた営業成績を残した人だけが会員登録できる国際団体「MDRT」(ミリオン・ダラー・ラウンド・テーブル)にも名を連ねたほどだ。

 第一生命の説明によると元職員は在職中の02~20年、顧客に対して架空の金融取引を持ちかけ、顧客24人から計19億5100万円の現金を不正に預かった。元職員は顧客に「(保険営業の)成績優秀者のみに認められた高い利子がつく私専用の特別枠がある。特別枠に空きがあるので、私に預けないか」と誘い、ほとんどの場合は現金で直接受け取っていた。その際、元職員が手書きした「お預かり証」に収入印紙を貼って顧客に渡していたという。

 複数の地元関係者に取材すると、この問題の異様さが具体的になってきた。元職員は金利を「年10~30%ほど」と顧客に説明し…

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