中国中心のアジア外交を変更したドイツ  「インド太平洋」重視 識者が語る理由

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ベルリン自由大中国研究所のベッティーナ・グランソウ教授=2020年8月、念佛明奈撮影
ベルリン自由大中国研究所のベッティーナ・グランソウ教授=2020年8月、念佛明奈撮影

 ドイツが、中国を中心に据えてきたこれまでのアジア外交を修正し、「インド太平洋」地域全体に目を向け始めた。ベルリン自由大中国研究所のベッティーナ・グランソウ教授に、ドイツと中国の関係の変化について聞いた。【聞き手・ベルリン念佛明奈】

 ――ドイツ連邦政府は9月に「インド太平洋ガイドライン(指針)」を閣議決定した。

 ◆指針は経済、安全保障の両面で、海洋を含めてアジアに力を入れようというシグナルを欧州連合(EU)に対して送るものだ。アジアとの関係の多極化や、海上の貿易路の安全確保が狙いで、軍事的な要素も含まれる。人的にも物質的にもドイツ海軍の装備は大きくないため、この戦略を通じて、海軍の対外的な価値は高まることになる。これまではむしろ米国がインド太平洋地域の話をしてきたが、ドイツ政府は今回、「インド太平洋」という概念を初めてアジアについての戦略文書の中で用いた。

 ただ、この文書は、米中が対立する中、ドイツと欧州の新たなアジア政策の方向性に関する議論のきっかけになるものとして理解することが重要で、過大評価すべきではない。

 ――中国はドイツにとってここ数年、最大の貿易パートナーとなってきた。

 ◆改革開放政策によって中国はドイツ、…

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