小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル回収チームがオーストラリア南部ウーメラに到着し、12月6日の「帰還」準備が本格化している。気になるのはその中身。持ち帰る小惑星リュウグウの石がどれくらい入っているのか、どんな色や形をしているのか。人類が初めて手にするリュウグウのかけらを扱うため、プロジェクトチームはカプセルのふたを開く瞬間に向けた綿密な計画を立てている。【永山悦子/オピニオングループ、池田知広/科学環境部】
カプセル回収から開封までの流れは、次の通りだ。
ウーメラ近郊の砂漠に着地したカプセルを確認後、リュウグウの試料が入っている部分を最優先で回収する。カプセルにはパラシュートを開くための火薬などが残っている可能性があり、メンバーは防護服を着て作業する。現場に設営した分析施設で試料が密閉されている容器(サンプルコンテナ)を取り出し、専用の輸送ボックスに入れ、チャーター機で日本へ送る。
羽田空港に到着したら、相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所へ陸路で運び、専用施設のクリーンルームへ搬入。専用設備「クリーンチャンバー」へ接続して、ふたを開く。
リュウグウの物質が入っているかどうかは、どのタイミングで分かるのか。
採取できた物質の量は、最大でも10グラム程度と微量だ。戻ってきたカプセルの重さを量っても分からないとみられる。そこでチームが注目するのが、現地でサンプルコンテナの中から採取するガ…
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