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二“人”六脚-保護犬イブと暮らして

イブが逃げ、捕獲時にかまれる 信頼関係への自信揺らぐ

散歩中は他の犬のにおいをかいでマーキングすることが多いイブ=福島県会津若松市で、湯浅聖一撮影

<連載2回目までのあらすじ>

 福島県白河市で飼い主から虐待を受けていた雄の雑種犬・ゴン太を引き取った私たち夫婦。名前を「イブ」と改めたのもつかの間、先住犬との相性が悪く外飼いにせざるを得なくなった。快適な室内飼育の方がいいだろうと思い、知り合いを頼って「里親」探しをしたが、飼い主として無責任と反省。悩んだ末、単身赴任先の同県会津若松市で世話をすることに決めた。こうして2018年4月、一人の中年男と保護犬との新たな生活が始まったが、ある日「事件」が……。

頻繁なマーキングで引っ張り回される

 イブは前の飼い主に長く外飼いされていたからか、外出が大好きだった。好きと言っても走ってはしゃぐわけではなく、ひたすら他の犬のにおいを嗅いでマーキングをした。

 マーキングとは尿によるにおい付けのことで、性ホルモンの影響を受けた本能的な行動とされる。縄張り意識の強い動物である犬は、自分の存在を誇示するため、尿のにおいから性別や大きさ、妊娠可能な時期など、さまざまな情報を読み取り、その上に尿をかけるのだ。

 特にイブは去勢をしていないのでマーキングが激しく、散歩中は私を引っ張り回すほどだった。福島県西郷(にしごう)村の自宅で飼っているラブラドルレトリバーもマーキングはするがイブほどではない。

 「きちんとしつけされなかったのだろうなあ」

 飼い主の横に付いて歩く姿を想像していた私は、すぐさま「現実はそんなに甘くない」と思い知らされた。

「連れて行って」尋常でない散歩の催促

 そんな外好きのイブだから、散歩の催促は尋常ではなかった。

 朝は日の昇らない時間帯から起こし「連れて行って」。夕方や夜は仕事中でも構わず、前脚で引っかく仕草をみせて「行こうよ」…

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湯浅聖一

1989年10月入社。大阪本社校閲部、松江支局などを経て、1999年4月から2005年3月までむつ通信部と青森支局で核燃料再処理工場や原発などの原子力問題を担当。盛岡支局でデスクをした後、岩手県で東日本大震災に遭遇し、県政の動きや被災者を取材する。長岡支局、飯田通信部、会津若松通信部などを経て、2020年4月から大田原通信部。米沢通信部時代に連載した盲導犬企画をきっかけに、犬・猫の殺処分問題に関心を持つ。

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