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為末大さん×クイーンズ駅伝優勝監督のコーチング対談 ウィズコロナの指導とは

コーチングについて語り合った為末大さん(左)と日本郵政グループの高橋昌彦監督=東京都江東区で2020年10月22日、佐々木順一撮影

 宮城県を舞台に11月22日に開催される全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)で、2連覇を狙う日本郵政グループの高橋昌彦監督(55)と陸上の元世界選手権メダリストの為末大さん(42)がコーチングをテーマに対談した。東京オリンピック女子マラソン代表の鈴木亜由子選手らを育てた指導者と、独自の哲学を基にSNS(ネット交流サービス)を通じて走り方を伝授する「侍ハードラー」がコロナ下で見据える未来のコーチングとは。【構成・小林悠太】

「押しつけ」から転換

 高橋 選手には、ユーチューブで走り方などを伝えている「為末大学」をよく見せています。落ち着いていて、押しつけではない語り口で、若い選手に合ったコーチングだと感じました。

 為末 日本ではもともと、つらい方が良いトレーニングだという誤った指標が存在しています。データを軽視し、「根性論」で練習してきた部分もありました。また、小中学校から全国大会があるので勝利至上主義になりやすく、体罰指導も行われてきました。

 高橋 昔は、監督が選手を泣きながら殴って指導する学園ドラマにみんなが感動していましたね。

 為末 ハラスメントという言葉が広がり、相手の嫌がる指導はいけないと認知されたことで、コーチングに求められるものも変わってきたと感じます。以前は指導者と選手の関係が固定化され、厳しい指導で選手に「圧」をかけて耐えさせて強くする「プッシュ型」が一般的でした。

 それが、所属先を自由に異動できるようになり、今はプッシュすれば外に出ていってしまう。選手の能力を引き出して強くする「プル型」の指導に寄ってきています。ただしスポーツに限らず多くの分野で、こうした転換に指導者が戸惑っているように感じます。

 高橋 戸惑う背景には、プッシュ型の指導者が大会で結果を出していたことも関係していると思います。私自身は押しつける指導は嫌で行っていません。

求められる対話 選手が納得するまで待つ

 為末 陸上界でも、女子長距離は管理型の指導が多いイメージがあります。私は理想論を語れる立場ですが、現場の指導者は結果を出さないといけません。プッシュ型の指導をした方がいいのでは、と思うことはありませんか。

 高橋 実業団の選手は親元を離れた大人です。無理に押しつければ、数年で辞めてしまいます。…

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小林悠太

毎日新聞東京本社運動部。1983年、埼玉県生まれ。2006年入社。甲府支局、西部運動課を経て、16年から東京本社運動部。リオデジャネイロ五輪を現地取材した。バドミントン、陸上、バレーボールなどを担当。学生時代、184センチの身長を生かそうとバレーに熱中。幼稚園児の長男、次男とバレーのパスをするのが目下の夢。

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