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社説

憲法審と国民投票法 新たな課題出てきている

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 衆院の憲法審査会が今国会になって初めて開かれた。当面の焦点は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正問題だ。

 2年前に提出された改正案は、駅・商業施設への共通投票所の設置や期日前投票の時間を弾力的に設定できるようにするといった内容だ。改正公職選挙法に合わせるもので、立憲民主党や国民民主党も中身自体に異論はないという。

 しかし、安倍晋三前首相が「改憲ありき」で与野党の合意形成を軽視したため、立憲など野党は不信感を募らせてきた。改正案は十分審議されないままで、今国会の成立も見送られるという。

 そもそも国民投票法が成立した際、改憲への賛否を呼びかけるCMの規制や、投票結果の正当性を保障する最低投票率などの論点は、検討課題として先送りされた。その後も議論は進んでいない。

 CMは、投票日の14日前から放送を禁じられているだけで、それ以外には制限する規定がない。資金力のある団体が賛成か反対かのCMを大量に流せば、情報量の面で公平さを欠く。何らかの規制を検討する必要があるだろう。

 法施行から10年がたち、新たな課題も出てきた。

 インターネット上の広告費は昨年、テレビ広告費を初めて上回った。ネット広告の扱いをどうするかについても議論すべきだ。

 英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票や米大統領選では、ビッグデータを基にしたSNS(会員制交流サイト)広告があふれ、フェイクニュースなども拡散した。

 憲法が保障する表現の自由や国民の知る権利にも関わる問題だが、公平で公正な投票ができる環境を作ることは欠かせない。国民の政治的な分断を避ける観点からも対策をとる必要がある。

 昨年の参院選の結果、「改憲勢力」は参院で国会発議に必要な3分の2の議席を下回った。9月に首相が交代し、改憲発議は現実的な政治日程に上っていない。だからこそ、与野党が腰を落ち着けて議論できるのではないか。

 憲法審は、幅広い合意を重視し、政党間の対立や政治状況に左右されず議論するというのが本来の姿だ。与野党の信頼関係を再構築し、その原点に立ち戻るべきだ。

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