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橋爪大三郎・評 『日本習合論』=内田樹・著

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『日本習合論』
『日本習合論』

 (ミシマ社・1980円)

異物の排除が進む恐怖

 内田樹氏の書くものはひと筋縄でない。合気道の達人で、エマニュエル・レヴィナスの研究者。油断すると一本取られてしまう。

 今回テーマは神仏習合だ。《話があちこちへ散らばっ》た(あとがき)とあるが、むろんわざと。軸足がちっともぶれていない。

 ソマリアで人道支援をする青年がはるばる訪ねて来た。「人間関係というのは共感をベースにしないと成立しないものでしょうか?」。訊(たず)ねる声がいい、笑顔がいい、握手がいい。海賊や殺人犯を更生させる修羅場も務まるだろう。《おぬし、できるな》と二秒で見抜く。本書はこんな武道の技の連続である。

 さて、明治の神仏分離令で、神道と仏教が別々にされた。神社の社僧らは《還俗(げんぞく)帰農するか、神官に職業替えするか二者択一》を迫られた。千年以上の伝統が一夜で消えた。なぜ誰も反対しない? 内田氏はこの謎を追って行く。

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