メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「フィニッシュラインまでかなり距離」 大詰め英EU交渉 バイデン氏「圧力」影響か

ジョンソン首相=ロンドンで2020年9月9日、AP

[PR]

 欧州連合(EU)を離脱した英国とEUの自由貿易協定(FTA)など将来の関係を巡る交渉が大詰めを迎えている。英国が事実上EUにとどまる「移行期間」が終了する2020年末までにFTAを発効できなければ、経済が大きく混乱する恐れがある。一部で交渉妥結に近づいているとする観測もあるが、意見の相違はなお根深いとみられ、「時間切れ」となる可能性も否定できない。

 交渉の主要な焦点は、国家補助金の扱いなど公正な競争条件の確保と、英海域でのEU漁船に対する漁業権の2点だ。FTA発効には、合意の後に双方の議会承認などが必要となるため、残された時間は少ない。

 交渉妥結に向けた明るい材料は二つある。一つは、ジョンソン政権内で対EU最強硬派とされたカミングス首相首席顧問が11月中旬に事実上解任されたことだ。この時期の退場について、英政府がEUに対して譲歩するシグナルではとの観測が出ている。だが、英首相官邸は政策転換を否定しており、英メディアは「離脱に関しては首相が最も強硬だ」との当局者の話を報じるなど、どこまで影響があるかは不明だ。

 二つ目は、米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことだ。トランプ大統領と異なり、バイデン氏はブレグジット(英国のEU離脱)完遂に突き進むジョンソン政権の姿勢に批判的だ。

 アイルランド系カトリックというバイデン氏の出自の影響も取り沙汰されている。英EUの通商交渉がまとまらなかった場合、北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理が復活し、北アイルランドの政情不安につながる懸念が一部にはある。バイデン氏は国境管理の復活阻止をツイッターで呼びかけるなど、米英通商交渉をカードにして英国にEUとの交渉妥結を迫っている。EUを離脱した英国にとって米国とのFTA策定は最重要課題で、バイデン氏による「圧力」が追い風になる可能性がある。

 アイルランドのマーティン首相は11月17日、合意に向けた「着地点」が見えていると発言し、打開に前向きな見方を示した。国家補助金を巡り協議に進展があったとされるほか、漁業権の問題で強硬姿勢を取ってきたフランスが、譲歩に向けた準備を進めているとの情報もある。一部の英メディアは23日からの週にも交渉妥結の可能性があると報道している。

 EU高官によると、19日に開かれたEUオンライン首脳会議では、フランスのマクロン大統領らが「FTAなし」を想定した準備を本格化すべきだと訴えたという。EUのフォンデアライエン欧州委員長は20日の記者会見で、英EU交渉について「ここ数日で良い進展があった。だが、フィニッシュラインまではまだかなり距離があり、時間的制約が厳しいことは間違いない」と語った。【ブリュッセル岩佐淳士、ロンドン服部正法】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 金城茉奈さん、病気のため死去 享年25歳 『リュウソウジャー』龍井うい役で出演

  2. 見る探る 「これはいじめではないか…」アンジャッシュ・渡部建さんの謝罪会見に行ってみた

  3. 繁華街に出没のサルを捕獲 福岡・天神

  4. ORICON NEWS AAA宇野実彩子、12・28年内最後の配信ライブ「仲良しのゲストさんも」

  5. 沖縄は復帰後も不条理強いる「反憲法下」 照屋寛徳氏の社民党への「遺言」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです