メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

消えた家畜~技能実習生の闇

<上>「解体して食べた」 周辺住民が夏ごろから気付いていた「獣臭」

防犯カメラがとらえた家畜窃盗の犯行の様子。子牛を逆さづりにして運び出そうとする2人と、右奥の車の前で待機するもう1人が映っている=栃木県足利市で2020年8月22日(鶴田ファーミング提供)

 群馬、栃木県など北関東を中心に家畜が大量に盗まれた事件に絡み、10月以降、入管法違反(不法残留)などの疑いでベトナム人が相次いで逮捕された。その多くは技能実習生として全国各地で働いていた若者たちだ。何が目的だったのか。背景を取材すると、実習生が置かれた過酷な労働環境やコロナ禍が影を落としている実態が浮かぶ。全3回で「闇」に迫る。【菊池陽南子、妹尾直道/前橋支局、中川友希/さいたま支局】

 群馬県東部に位置する太田市。SUBARU(スバル)が生産拠点を置くこの企業城下町の住宅街の一角にある2階建てアパートの周辺で「獣の臭い」が漂い始めたのは今年夏ごろのことだった。当時、近所の人たちは、それが、その後発覚する事件に関わるものだとは想像すらできなかったに違いない。

 北関東では今年に入ってから、家畜が盗まれる被害が出始め、群馬県ではこれまでに豚約720頭、ニワトリ約140羽の被害が確認されている。近県の栃木、茨城、埼玉でも家畜が盗まれる被害が相次いだ。

 事件に関連し、群馬県警は10月26日、太田市に住む20~30代の男女13人のベトナム人を入管法違反(不法残留)などの容疑で逮捕した。13人は平屋の賃貸住宅2棟で集団生活をしていた。うち10人は技能実習生として2016年以降に来日し、東京、埼玉、茨城、熊本などで建設業や農業などの仕事をしていたが、大半が就労先から失踪していた。

 家宅捜索したところ、床下からビニール袋に詰められた30羽分の鶏肉が見つかった。さらに、県警は太田市内の宅配センターから、逮捕した2人の名前が書かれた発送伝票を入手した。

 このグループはSNS(ネット交流サービス)で「アインカーグンマ」(ベトナム語で「群馬の兄貴」の意味)というアカウントを使い、買い手を募り、発送していたとみられる。肉の販売価格は数キロ2000円程度だったとみられる。このアカウント上には解体された豚の画像が並んでいたが、今夏に家畜盗難事件が報道されてから大半が削除された。

 警察の捜査の手はさらに伸びていく。

 …

この記事は有料記事です。

残り904文字(全文1761文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 捜査員に知らされた姉の犠牲 「まさか路上生活とは」「理不尽」渋谷傷害致死

  2. 新型コロナ 札幌・大阪市、GoTo停止 2知事、国に要請へ

  3. 「桜」前夜祭 安倍前首相側、補塡か 会費上回る明細書 秘書ら任意聴取 東京地検

  4. 東京・渋谷女性傷害致死 事件前日「金あげるからどいて」 容疑者、断られ立腹 殴打の袋に石

  5. 朝鮮戦争、米艇に乗船 機雷除去中の日本人死亡 外交史料館に文書

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです