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消えた家畜~技能実習生の闇

<中>失踪者6倍増 借金苦に暴力 実習生の理想と現実

「ボドイ」と呼ばれるフェイスブックのグループ。働き手を募るとみられる投稿がされている=2020年11月19日午後10時36分、妹尾直道撮影

 北関東一帯で起きた家畜の大量盗難事件に絡み、逮捕されたベトナム人の多くが就労先から失踪した技能実習生だった。今、彼らに何が起きているのか。【菊池陽南子、妹尾直道/前橋支局、中川友希/さいたま支局】

 技能実習制度は1993年に始まった。国際貢献の一環として発展途上国から最長5年間受け入れ、日本の技術を伝えるのが狙いだが、労働力不足を背景に日本の産業を実質的に支えているといっても過言ではない。

 出入国在留管理庁によると、2019年末時点の実習生は全国で約41万人おり、5年前の2・5倍。近年、特に急増しているのがベトナム人で、19年は全実習生の半数となる約21万人を占める。

 15年までは中国人がトップだったが、中国では経済発展に伴い賃金水準が向上したこともあり、日本で働くメリットは薄れつつある。一方、ベトナムの平均月収は約3万円にとどまり、日本の最低賃金で働いても平均月収の数倍となる。中国人技能実習生が頭打ちとなる中、「真面目で素直なベトナムの国民性」(外国人支援者)が企業に好感され、受け入れが加速した。

 だが、失踪者も増えている。出入国在留管理庁によると、19年の実習生の失踪者数は14年の1・8倍となる8796人。うち7割の6105人はベトナム人で、14年比で6倍に増えた。19年はベトナム人技能実習生の実に3%ほどが失踪した計算になる。

 失踪した実習生たちにほぼ共通しているのが、来日前に抱いていた理想と現実のギャップだ。

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