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札幌2歳衰弱死、母に懲役9年判決 裁判長、無罪主張を「不合理な弁解」と指摘

札幌地裁=札幌市中央区で

 札幌市中央区で2019年6月に当時2歳の池田詩梨(ことり)ちゃんを衰弱死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の莉菜被告(22)に対し、懲役9年(求刑・懲役14年)を言い渡した20日の札幌地裁判決。詩梨ちゃんが極端に痩せて衰弱しながら死を迎えた過程を認定した上で、「自分で食事でき元気だった」などと一貫して無罪を主張した莉菜被告を「不合理な弁解に終始した」と断罪した。

 「生存に必要な食事を与えるという最も基本的な責務を果たさなかった」。莉菜被告は約40分間、石田寿一裁判長が読み上げる判決を終始うつむき加減で聞いていた。

 今月2日に始まった裁判員裁判は(1)詩梨ちゃんの死因(2)生存に必要な保護を必要としていたか――が主な争点だった。「低栄養による衰弱死」とする検察側と「吐いた物を喉に詰まらせた窒息死」とする弁護側の主張が対立した。

 判決によると、莉菜被告は交際相手だった藤原一弥被告(26)=同罪と傷害罪で1審・懲役13年の実刑判決、控訴中=と共謀し、中央区の自宅で19年5月15日ごろから詩梨ちゃんに十分な食事を与えず放置し、翌月5日に衰弱死させた。

 判決は、同年3月に8・2キロあった詩梨ちゃんの体重は、保育園に通わなくなった4月下旬から死亡するまでの6週間に1・5キロ減少したと推認。栄養不足から死亡時に低体温だったとする司法解剖担当医師の所見などを重視し、衰弱死と判断した。

 さらに、死亡5日前ごろには「一見して極端に痩せ、低栄養状態がかなり進んでいた。頭や顔の皮下出血のほか、肩や胸に熱傷を負っていた」と要保護状況を認め、「莉菜被告は衰弱の原因となる低栄養状態と外傷を認識しながら、生存のために必要な保護をしなかった」と結論づけた。

 石田裁判長は「不合理な弁解に終始し、自らの過ちを真摯(しんし)に振り返る姿勢がない」と非難し、児童虐待死の同種事案では「かなり重い部類」と指摘した。ただ、傷害罪も加わった藤原被告のような「最も重い部類」には位置づけず、「(莉菜被告の)若年の未熟さや想像力の乏しさが影響している面も踏まえた」と一定の事情も考慮した。【岸川弘明】

「娘との時間、作ればよかった」

 「性格がおっとりして手のかからない子だった」。長女の詩梨ちゃん(当時2歳)に対する保護責任者遺棄致死罪に問われた池田莉菜被告(22)。公判では若き母の顔も見せた。生前の詩梨ちゃ…

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