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余録

セピア色にくすんだ…

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 セピア色にくすんだ古いワシントンの地図が手元にある。米大統領が執務するホワイトハウスを中心に放射状に走る幹線道路が赤く塗られ、矢印が記されている。核戦争時の住民の避難経路マップだ。米ソ冷戦中の1959年に米政府が作製した▲「5分間の警報」を合図に避難し、緊急時は地下室に逃げ込む。訓練も必須だった。当時を知る米国の友人は「小学生のころは教室の机の下によく隠れたよ」と笑う。防災訓練でも核攻撃への備えとは驚く▲いつしかそんな訓練もなくなった。核戦争が過去の遺物になったかのように。それは違う、と声を上げるペリー元米国防長官らの近著を読んで背筋が寒くなった▲95年にロシアは米国の潜水艦から弾道ミサイルが発射されたと誤認し核戦力を含む警戒態勢をとったという。2000~10年代にはブッシュ、オバマ両米大統領が探知した弾道ミサイルをめぐり核攻撃に対処する戦略軍司令官と交信していたと明かしている▲相手の核攻撃にびくびくするのは、核兵器を先に使われることへの恐怖心があるからだろう。そうであるなら、米国などすべての保有国が核の先制使用を禁止すればいい。「核オプション」を封印し「核なき世界」に近づく手段にもなるはずだ▲核攻撃の緊張は過去の情景ではない。小型の「使える核」や核施設へのサイバー攻撃は核戦争を誘発しかねない新たな脅威だ。米大統領選で当選を確実にしたバイデン氏は「核の先制不使用」を支持してきた。実行を期待したい。

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