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火の見櫓を登る姿に美的効果 「三人吉三」で女装の盗賊、お嬢吉三役 中村時蔵さん

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歌舞伎俳優の中村時蔵さん=東京都千代田区で2020年11月4日、内藤絵美撮影
歌舞伎俳優の中村時蔵さん=東京都千代田区で2020年11月4日、内藤絵美撮影

 お嬢、和尚、お坊。義兄弟のちぎりを結んだ吉三の名を持つ3人の盗賊が登場する「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」。女形の中村時蔵さんが、女装の盗賊、お嬢吉三を東京・国立劇場の「12月歌舞伎公演」(12月3~26日)で演じる。

 幕末から明治の人気作者、河竹黙阿弥作で安政7(1860)年、江戸・市村座初演。7幕物だが、現在では3人が活躍する場面のみの上演が通常。今回は、序幕「大川端庚申塚(おおかわばたこうしんづか)」、二幕目「巣鴨吉祥院」、大詰「本郷火の見櫓(やぐら)」の構成だ。和尚は中村芝翫、お坊は尾上松緑の配役。

 最も人気が高い場面は3人が出会い、義兄弟の約束を交わすまでが描かれる「大川端」。一幕物として上演されることも多い。客の十三郎が忘れた金包みを届けるために夜道を急ぐおとせに、振り袖姿のお嬢が声をかけて金を奪い、川へ突き落とす。その際にお嬢が口にする「月も朧(おぼろ)に白魚の……」から始まる長ぜりふは歌舞伎ファンにはおなじみだ。

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