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参勤交代中に大名急死 お家取り潰しの危機を家臣はどう切り抜けた? 滋賀で史料展示

佐土原藩の重臣から届いた礼状など、今夏新たに発見された史料が並ぶ会場=草津市草津1の草津宿本陣で2020年11月20日午前10時45分、礒野健一撮影

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 参勤交代中の大名が草津宿で急死。世継ぎはまだ幼く、最悪の場合はお家取り潰し――。そんな一大事を、大名の家臣と宿の主人が協力し、どう乗り切ったかを史料24点で紹介する特別展「本陣職はつらいよ~佐土原藩主急死事件とその後~」が、草津宿本陣(滋賀県草津市草津1)で開かれている。29日まで。

 1839年4月7日、佐土原藩(現在の宮崎市)の第9代藩主・島津忠徹(ただゆき)が参勤で江戸に向かう途中、草津宿の田中七左衛門本陣に宿泊した際、癪(しゃく)(何らかの内臓疾患)のため急死してしまう。忠徹は当時43歳の働き盛りで嫡男は12歳と幼く、まだ幕府に家督相続の手続きをしていなかった。死後に相続許可を得るのは難しく、お家取り潰しもあり得る事態。家臣たちは七左衛門に協力を依頼し、「忠徹は重病で宿でふせっている」と装い、藩存続のため東奔西走する。

 会場には、宿泊予定日を当初の1泊2日から77日間へと書き直した宿割帳や、七左衛門が出した棺おけ用の金具の注文書、佐土原藩が幕府に提出した書類などが展示されている。跡目相続の願書には現藩主の判と花押(サイン)が必須だが、「手が震えるので花押は省略する」との一文を添えるなど、家臣たちの苦心がうかがえる。

 草津宿を取り仕切る膳所藩と佐土原藩は縁戚関係にあった。その協力もあって、忠徹の死去は跡目相続書類が全てそろった翌日の5月26日に公表され、お家取り潰しの危機は回避された。

 新型コロナウイルスの影響で閉館中に史料を調査した結果、佐土原藩の家臣が七左衛門に宛てた私信も新たに発見された。重臣からの礼状には、かつて主君と共に眺めた本陣のハスの根分けを願う一文もあった。また、一般の家臣は意外と暇だったのか、七左衛門から本を9冊借り、読破する前に草津から旅立つことを告げる手紙も残っている。

 担当した松本真実学芸員は「史料の行間から、家臣らの苦心の策略が垣間見え、それに本陣主人として応える七左衛門の苦労も読み取れる。群像劇としても面白い」と話した。

 入館は午前9時~午後4時半。24日休館。大人240円、大学・高校生180円、小中学生120円。問い合わせは草津宿本陣(077・561・6636)。【礒野健一】

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