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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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新型コロナウイルスがもたらした変化に…

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 新型コロナウイルスがもたらした変化に人の移動がある。東京圏から地方に流出した人口は今年夏、流入分を上回った。地方への移住支援にあたるNPO法人「ふるさと回帰支援センター」(東京)によると、6~9月の相談件数は1万件を超した。感染リスクなどから地方暮らしを再評価する動きの表れだろう▲自治体も、移住者を増やそうと工夫を凝らしている。栃木県佐野市は名物の「佐野らーめん」作りを伝授するための「予備校」を今月、スタートした。店主を養成し、移住も促進する狙いがある▲「佐野らーめん」は独特のちぢれ麺で知られるが、近年は後継者不足も指摘される。市の審査をパスした他地域の男性4人が研修や実地体験などを経て、市内で開業を目指す。市はこの取り組みを続け、後継ぎ探しにも役立てたい考えだ▲移住支援では近年「継業(けいぎょう)」という言葉が注目されている。少子高齢化で後継ぎ不足に悩む地方の事業主と、移住を希望する若者を自治体などがマッチングする▲岐阜県は昨年から継業支援を始め、首都圏の若者が魚の養殖業を継いだ。和歌山県も本腰を入れており、他地域の多くの若者が関心を寄せているという。雇用や人間関係は移住の大きな不安要因となる。この壁を除き、後継者探しの一助になれば一石二鳥というわけだ▲地方で人材不足に直面する業種でも、都会の若者らに魅力的に映るケースは少なくないのではないか。「脱東京」の機運を太い流れにするための、ひとつのヒントである。

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