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元フリーアナウンサーで僧侶の高橋美清(びせい)さん(55)は5年前、インターネット上にいわれのない中傷が拡散され、自殺未遂に追い込まれた経験がある。死にたい気持ちをどのように乗り越えたのか。そして今、苦しむ人に伝えたいことは何かを聞いた。【野村房代/統合デジタル取材センター】
――ネット上でひどい誹謗(ひぼう)中傷を受けたようですが、きっかけは何だったのでしょうか。
◆僧侶になる前は、フリーアナウンサー「高橋しげみ」としてテレビ番組の司会を務めていました。番組で共演した男性から1年以上にわたるストーカー被害を受け、男性が2015年にストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。男性が有名人だったため、ワイドショーなどで大きく取り上げられ、その際に私のことが「元交際相手」と報じられました。
また男性が逮捕前、ブログに「(高橋さんに)クレジットカードで2000万円使われた」などと書いていたことから、「悪いのは女の方だ」といった非難が私の方に向けられたのです。
私の母方の実家は代々、天台宗の寺院で、私も11年に僧籍に入っています。それを知る男性から悩み相談を受けていただけで、お金をもらったことはありません。ですが逮捕の約1カ月後、男性が事故で亡くなり、「事件を苦にしての自殺では」と臆測で報じられたことで、私が「加害者」扱いされるようになったのです。
実際には100件以上の脅迫メールなどがあったにもかかわらず、逮捕容疑はその一部である「メール3通と電話14件」とされたことも、「それだけで死に追い込むなんて」といった批判につながったんだと思います。
ネット掲示板に顔写真がさらされて「人殺し」と書かれ、ブログに毎日「今日こそ首をつってください」などといったメッセージが届きました。…
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