旧ロシア領事館売却へ 函館市、歴史的価値喪失懸念も /北海道

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旧ロシア領事館の前で、文化財指定を訴える「函館の歴史的風土を守る会」の佐々木馨会長=北海道函館市で
旧ロシア領事館の前で、文化財指定を訴える「函館の歴史的風土を守る会」の佐々木馨会長=北海道函館市で

 帝政ロシアが官費で建てた領事館として日本に唯一現存する函館市の旧ロシア領事館。老朽化し、24年間閉鎖されて「空き家」となっているが、市は財政的に維持が困難として民間企業への売却を決めた。市民からは価値の喪失を危ぶむ声も上がるが、赤れんが造りの建物の保存と活用に向け歩みを進める。

 旧ロシア領事館は1908(明治41)年に函館山の麓(ふもと)に建設され、築112年。同志社大クラーク記念館(京都市)と同じく、ドイツ人建築家リヒャルト・ゼールの設計だ。44年の閉鎖まで、ロシア領海で漁をする日本船の証明やビザの発給、領事公邸としての役割を担った。戦後は市が購入し「道南青年の家」として96年まで利用された。

 市の景観形成指定建築物だが、旧イギリス領事館とは対照的に有形文化財には指定されていない。旧イギリス領事館が領事執務室や家族の居室を再現し、ティールームも常設して観光客に人気となっているのに対し、旧ロシア領事館は79年に文化財候補となったものの保存状態が悪く審議が中断している。

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