埼玉県が全国で初めて実施した全高校2年生への実態調査で、回答者の約25人に1人にあたる1969人が家族を介護するヤングケアラーだった。地域・年齢が限られた調査だが、家族ケアを担う子どもの悩みや生活への支障、健康状態などの詳細が判明。全国的な支援策を探る重要な手がかりだ。【山田奈緒、田中裕之】
「将来が心配です。父を支えられるのは祖母と自分だけで、就職など、どう行動すべきか全く分かりません」。県の調査に応じたある生徒は、父のケアを担っていることをにじませながら不安を隠さなかった。
学校生活とケアの両立が長時間・長期にわたるケースは少なくない。埼玉の高2のヤングケアラー(1969人)に対する回答の割合でみると、7割超が高校入学よりも前からケアをしていた。別のある生徒は自身が「中学2年からヤングケアラー」だと認め、介護のストレスから倒れた経験を明かした。
毎日ケアをしている生徒が696人(35・3%)で最多。平日のケア時間は約7割が2時間未満だが、4~6時間は95人(4・8%)、6~8時間は47人(2・4%)、8時間以上に及ぶ子も30人(1・5%)いた。平日より休日のケアが長い傾向があった。
ケア対象の家族(複数回答)は、祖父母・曽祖父母806人▽母524人▽きょうだい492人――などで、1人で家族2~3人をケアしている生徒もいた。ケアの理由(複数回答)は「親が仕事で忙しい」585人(29・7%)、「親の病気や障害、精神疾患、入院」407人(20・7%)のほか、「日本語が親の第1言語ではない」として日常生活の通訳などのケアをしている子も141人(7・2%)いた。
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