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恋ふらむ鳥は

/160 澤田瞳子 画 村田涼平

 大(おお)海人(あま)は夫としては苛立(いらだ)つ点も多いが、人を欺くような人物ではない。それだけにいつぞや、葛城(かつらぎ)の跡取りは伊賀(いが)でよかろうと漏らした言葉に、嘘(うそ)はないはずだ。讃良(さらら)もそんな夫の思いを踏みにじってまで、大王(おおきみ)の座を獲得するつもりはなかろう。それにそもそも葛城は、讃良自身の父ではないか。

 すでに暦は冬に差しかかり、板蓋(いたぶきの)宮(みや)の外宮を吹きすぎる風は身を切るように冷たい。額田(ぬかた)は粟粒(あわつぶ)の浮いた二の腕を撫(な)でさすりながら、薄い陽射(ひざ)しの中に佇立(ちょりつ)する堂宇を仰いだ。

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