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詩の橋を渡って

「きみ」を想う尊さ=和合亮一(詩人)

詩人の和合亮一さん=望月亮一撮影

11月

猫はひとりで生きられない

きみにかかえられて息をする

猫の毛のなかにはきみの毛が生えている

 しだいに十二月へ。あれこれと振り返り、一年の記憶をたどり直そうとしている自分に気づく。年の締めくくりを前にして、例年最も詩集の刊行の多い季節である。金井雄二の『むかしぼくはきみに長い手紙を書いた』(思潮社)という長いタイトルの一冊に惹(ひ)かれた。たくさんの中からこちらに語りかけてくるような感じがあった。ベテランの書き手の五年ぶりの詩集だが、変わらない新鮮さと若々しさがある。対話する感覚でページをめくってみた。

 前作の詩集は生活そのものについて詩の筆をめぐらせていたという印象があるが、今回は恋愛詩集を作るつもりだったとあとがきにある。かつて思いを寄せる誰かに長い手紙を書いたことがあった。それを回顧して云々(うんぬん)というのではなく、そのような長文を熱心に書いたという行為そのものが、この書き手の今に意味を成しているのが感じられた。その気持ちを大切にするようにして、たくさんの詩を綴(つづ)ったということが…

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