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小説創作の指導。そんな難儀な副業をもう10年以上もしている身として、最近思うことを少し書いてみる。
今は「褒めて育てる」という慣習が世に幅を利かせすぎて、助言や批評の文化を抑圧し衰退させている。そう見える。批評の衰退とはその文化の衰退でもあるのに。
むろん子供でなくとも大人でも、褒められれば嬉(うれ)しいし、一層その気になる。だから、うるさい小言は無理にでも控え、嘘(うそ)でも褒めておけ、若者は騙(だま)して伸ばせ、となる。
若者への媚(こ)びへつらい。つまり若者への嘘。昔、人から「やる気にさせる褒め方」を教えられた。いかに褒め難い、工夫も努力の跡もない作品でも「よくない」とか「練習が足りない」とは言うな。若者が傷つくから。そういう作品には「元気があってよい」とか「素質はある」とか「伸びしろに期待」などと言っておけ。そういうのである。
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