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「桜」前夜祭の費用補塡 安倍氏の責任は免れない

 「桜を見る会」の前夜祭について、安倍晋三前首相側が費用を補塡(ほてん)していたことが、明らかになった。安倍氏周辺が認めた。

 昨秋に問題が発覚して以降、安倍氏は国会で、参加者の会費だけで費用を賄い、事務所の負担はないとの答弁を繰り返してきた。それが虚偽だったことが判明した。

 一方で、安倍氏周辺は、本人は補塡を知らなかったと強調している。費用について問われた秘書が「会費以外の支出はない」と回答していたと説明している。

 しかし、疑問は解消されない。

 安倍氏は会場の高級ホテルから費用の明細書を受け取っていないとの主張を続けてきたが、捜査で明細書の存在が明るみに出た。

 事務所の負担分について、ホテルは安倍氏の資金管理団体宛てに領収書を発行したという。それを安倍氏側が廃棄した疑いもある。

 補塡の意図や原資も分かっていない。国会で大きく取り上げられたのに、安倍氏は秘書に通り一遍の確認で済ませたのか。安倍氏周辺の説明は、うのみにできない。

 一連の対応には、政治資金規正法違反や公職選挙法違反の疑いが生じている。

 取材によると、前夜祭の費用補塡は2013年の開始当初から行われていたが、政治資金収支報告書に記載していなかった。

 秘書はつじつまを合わせるために、安倍氏に補塡の事実を報告しなかったという。秘書に違法性の認識があったことは明らかだ。

 安倍氏の関与を含め、東京地検特捜部は捜査で全容を明らかにする必要がある。

 野党は衆参の予算委員会に安倍氏の参考人招致を要求したが、与党は拒否した。予算委で当時の官房長官として認識を問われた菅義偉首相は「前総理に確認し答弁してきた」と述べるにとどまった。

 虚偽答弁は、立法府を愚弄(ぐろう)するものだ。国会は安倍氏に説明を求め、真相を解明すべきだ。

 大勢の支持者を集めた行事で、法に抵触する疑いのある行為が長らく続いていた。安倍氏は、それを放置していたことになる。

 仮に補塡を知らなかったとしても、政治への信頼を損ねた責任は免れない。政治家として「秘書の責任」では済まされず、国会で自ら説明しなければならない。

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