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「楽園」の光と影・タイのLGBT

/下 差別解消、法整備道半ば

同性パートナーシップ法について講義するケートさん。LGBTのタンヤワット下院議員(後列右から3人目)も参加した=バンコクのタマサート大学で2020年7月

 奈落の底に突き落とされたような気分になった。ケートさん(34)は、心と体の性が一致しないトランスジェンダーであることに苦しみながら、人一倍勉学に励んできた。2015年、名門タマサート大の社会学部講師の採用試験に合格。だが大学側は、採用を拒否した。理由は「SNS(ネット交流サービス)に不適切な投稿をしていた」からだった。ケートさんは憤る。「大学は説明しないが、私の性別が理由であることは明らかだ」

 外国人や観光客には、性的少数者(LGBTなど)に寛容に見えるタイ。だが、国内ではLGBTの権利を守る法や政策は整備されていない。多くのLGBTは、幼いころから家庭や学校で差別されて育つ。ほとんどの官公庁や大企業は門戸を閉ざし、歓迎されるのはエンターテインメントや美容業界に限られる。

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