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「みんなバラバラ」な多国籍社会を描く「カム・アンド・ゴー」 大阪に住むリム・カーワイ監督が考えたこと

「カム・アンド・ゴー」に登場するアジア出身の外国人たち=Ⓒ2020 TIFF

 マレーシア出身の映画監督、リム・カーワイさん(47)が、大阪を舞台にした作品づくりを続けている。今年の東京国際映画祭にも出品した最新作「カム・アンド・ゴー」では、技能実習生や留学生、難民ら近年増加するアジア出身の外国人の存在に焦点を当てた。「アジア的な雰囲気が好き」と語る大阪から、日本社会の「今」を描いている。【金志尚/統合デジタル取材センター】

「アジアに近い精神性が好き」

 リムさんの大阪とのつながりはおよそ四半世紀前にさかのぼる。マレーシアの首都・クアラルンプールで生まれ育った華僑のリムさんは、19歳のときに留学生として来日。日本語学校を経て大阪大に進み、基礎工学部で電気工学を専攻した。卒業後、東京で6年間、通信会社のエンジニアとして働いたが、元々映画好きで、会社勤めの傍ら毎日のように映画館へ通い、洋の東西を問わず年間300~400本ほどを見たという。

 その後退職して中国へ渡り、北京電影学院監督コースで本格的に映画制作を学んだ。2010年に監督デビューしてから今作までに7本の長編作品を制作。うち2本が大阪を舞台にした作品だ。

 最初の「新世界の夜明け」(11年)では、大阪のシンボルタワー、通天閣がある新世界のわい雑さを若い中国人女性旅行者の視点で映しだし、次の「恋するミナミ」(13年)では難波や心斎橋などのある繁華街ミナミを舞台に日中韓3カ国の若者たちの恋模様を描いた。いずれの作品も大阪とアジアとのつながりを描いているのが特徴だ。

 リムさんは13年からは生活の拠点も大阪市内に移している。なぜそこまで大阪が好きなのだろうか。…

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金志尚

2007年入社。大津支局、松江支局、北陸総局、大阪社会部などを 経て、20年10月から統合デジタル取材センター。外国人、障害者ら「マ イノリティー」をテーマに取材をしてきました。東京出身ですが、東京勤務は初 めて。あまり分野を特定せず、広く政治や社会問題全般をフォローしていきたい と思います。趣味は映画、小説、スポーツ。

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