高校に一人はいたのではないか。成績優秀ではないにしても、超個性的な目立ちたがり屋。いろんな場面の思い出に焼き付いていて、時々あいつどうしてるかなと、ふと思う。これはそんな「高校のヒーロー」佐々木をめぐる、青春の締めくくり映画である。
20代後半の悠二(藤原季節)は役者として芽が出ず、元恋人ともずるずると同居を続け、パッとしない日々を送る。高校の同級生多田(遊屋慎太郎)と再会し、佐々木(細川岳)のことを思い出す。佐々木は教室で全裸になって踊り、周囲を沸かせるお調子者。悠二と多田、木村(森優作)を合わせた4人はいつも一緒に過ごしていた。
映画は現在と高校時代を、悠二の視点で行き来する。佐々木のハチャメチャぶり、たまり場の佐々木の家でダラダラと過ごす4人の、無駄な熱気と弛緩(しかん)した時間。未来への根拠のない希望とエネルギーに満ちた10代の日々を活写する。対比される現在の悠二は、全てにふがいない。自分の本音を見ないふり、流されるばかり。多田と再会後、役者仲間に誘われて、テネシー・ウィリアムズの「ロング・グッドバイ」の舞台を演じる…
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