- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
国土交通省千曲川河川事務所は、昨年の台風19号で千曲川の堤防が決壊するなど甚大な被害が発生したことを踏まえて、2014年に策定した河川整備計画を見直し、巨大台風が襲来しても安全を確保できるよう河川流量の目標設定を引き上げる検討を進めていることを明らかにした。
信濃川水系流域委員会の「上流部会」の初会合が20日に長野市内で開かれ、専門家ら約20人が出席した。
台風19号の際の立ケ花観測所(中野市)の流量は、決壊した千曲川堤防(長野市穂保)からの流出分も含めて最大で毎秒9000トンに達していたとみられる。だが、現行の整備計画は被災前にまとめたものだったため、当時は戦後最大とされた1983年の台風10号を念頭に置いた毎秒約7300トンの流量で目標設定していた。
同事務所は水害リスクを最大限減らすため遊水池の整備や河道の掘削などを進めて、河川流量を引き上げることなどを説明。流域の住民らの意見を聞きながら検討して21年に計画の変更案を公表し、正式決定する見通し。
同事務所の吉田俊康副所長は「河川整備をスムーズに進めていきたい」と話した。【坂根真理】