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12月20日に京都市で開催する男子第71回・女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)の予選が終わり、出場校が出そろった。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止策で例年のロードレースを取りやめ、トラック周回のタイム合計で競う方式に変更するケースが増えている。そして駅伝を象徴する涙と汗が染みこんだ「たすき」を使わないケースもみられた。【伝田賢史】
11月3日に笠岡陸上競技場で行われた県予選会。男子は7区間、女子5区間で、それぞれ全国高校駅伝と同じ距離でタイムを競うトラックレースが実施された。区間ごとに実施されたレースの記録を積み重ねた合計タイムで順位を競うため、「たすきリレー」の場面がない。このため、大半のチームは着用しなかった。男子は倉敷、女子は興譲館が都大路の出場権を獲得したが、最終走者がフィニッシュテープを切ることもなく、恒例のガッツポーズもなかった。
倉敷で最終7区の走者を務めた長塩寛至選手(3年)は、昨年の全国大会でアンカーを務め、チームの準優勝に貢献した。今回のレースについて「昨年は前の選手たちがつないできたたすきをつけて頑張れた。たすきがあった方が、全員がもうちょっと行けた(タイムを出せた)かなと思う」と残念がった。女子の興譲館で3区を走った主将の谷口萌優選手(3年)も「今回はスタートもフィニッシュも一人。仲間のことを思って走ったが、たすきをつけた時と比べると弱かった」と振り返った。
一方、県高体連が「たすきの着用も可」としたため、津山は出場校では唯一、男女ともにたすきを着用してトラックを周回した。着用を監督に提案したという小倉唯愛(ゆいな)選手(2年)は「先輩たちがつないできてくれたたすきを途切れさせたくなかった。苦しくなっても『仲間が待っている』と頑張れた」と力を込めた。
県高体連の小川愉之・駅伝専門部委員長は、例年のロードレースから変更した理由について、日本陸連が出した競技再開ガイダンスの順守を理由に挙げ「観客に感染者が出た場合、感染者の観戦位置や、周辺の観客の連絡先特定が難しいと判断した」と話した。
全国大会の事務局によると、予選会を例年のロードレースから、競技場のトラック周回のタイム合計を競う方式に変更したり、コースを変えたりしたのは群馬、岡山、富山など10県以上。また、例年は各都道府県の上位入賞校が出場する地区大会は▽北信越▽東海▽四国▽九州――の4地区で中止が決まった。
全国高校駅伝は、12月20日に京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に、例年通りのコースで開催し、たすきも使用する予定。大会事務局は感染拡大防止策を徹底し、スタジアムへの観客の入場を禁止。沿道での応援自粛も呼び掛ける。政府が緊急事態宣言を発令するなどした場合は開催の可否を検討する。
新型コロナ下の新しい生活様式を実践しながら、仲間や先輩たちの思いがこもった母校のたすきを胸に、高校生ランナーたちが師走の都大路を駆け抜けようとしている。
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