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任命拒否、歴史覆す 学術会議巡る攻防、公文書に軌跡

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内閣法制局の「法律案審議録」に残された「日本学術会議関係想定問答」。首相の任命は「形式的任命である」と書かれている=国立公文書館所蔵、岩崎歩撮影
内閣法制局の「法律案審議録」に残された「日本学術会議関係想定問答」。首相の任命は「形式的任命である」と書かれている=国立公文書館所蔵、岩崎歩撮影

 井上信治科学技術担当相は26日、日本学術会議に政府機関からの切り離しを提案した。学術会議は、過去にも独立性を巡って政府や自民党と激しく論争してきた。公文書や国会議事録などから、対立の歴史を振り返る。【岩崎歩、柳楽未来】

「形だけの任命」 83年想定問答

 学術会議が1949年に発足した当初、第二次世界大戦で科学者が戦争に協力した反省から、政府から独立した立場で科学に根ざした提言を行えるよう、会員は全国の科学者による選挙で選ばれていた。ところが徐々に立候補者が減少。80年代に入ると与党の自民党から、会員が特定の組織や政治思想に偏っているのではないかとして公選制を問題視する声が強まり始めた。民間組織への移行などを求める意見もあった。鈴木善幸内閣は82年11月、公選制から学会推薦制に変更する「総理府総務長官試案」を学術会議に示した。

 しかし学術会議側は、学会推薦になると政府による任命行為が必要になることで独立性が侵害されると懸念した。翌83年1月、内部で試案の問題点を検討した結果を報告書にまとめ「任命が政府によって実質的に左右されることがあってはならない。あくまで形式的任命権にとどめておかなくてはならない」と訴えた。

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