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「財研」記者日記

予算案の編成過程を財務省内にある記者クラブ「財政研究会」の担当記者が、「そもそも」や舞台裏をリポート。

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(3)財務官僚たちが泊まる「ホテルオークラ」とは、実は…

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深夜の財務省。主計局が入るフロアにだけ明かりがともっていた=東京都千代田区で2020年11月8日午後11時25分、和田憲二撮影
深夜の財務省。主計局が入るフロアにだけ明かりがともっていた=東京都千代田区で2020年11月8日午後11時25分、和田憲二撮影

 11月も終わりに近づいた。2021年度当初予算案と20年度第3次補正予算案の同時編成作業は、12月の閣議決定に向け、ヤマ場を迎えている。各省による予算要求の査定の主戦場である財務省主計局は、休日返上で作業に追われている。

日曜に開かれる「伝統行事」

 11月8日、日曜日とあって東京・霞が関はいつもより閑散としていた。ところが、主計局が入る財務省1階と2階の部屋には夜になってもこうこうと明かりがついている。「局議」と呼ばれる重要な会議があると聞いて様子を見に来てみたが、本当だったようだ。

 局議は、各省の予算要求について、まとめ役の主計官の下で査定の実務をこなす「主査」と呼ばれる職員たちが、主計官やその上司である次長に査定の進み具合を説明する場。予算査定の「伝統行事」となっており、係ごとに行われる。主査は入省17~18年目を中心に30代の中堅が多い。私とほぼ同年代だ。

 農林水産、文部科学、厚生労働、国土交通・公共事業総括、内閣、復興、外務・経済協力、防衛、総務、地方財政、司法・警察、経済産業、環境、そして予算企画。庁舎内を歩くと、主計局だけすべての係で職員が登庁していた。

「オークラに泊まったよ」

 「一体どうしたの、日曜日に」。いつものように廊下に立っていると、顔見知りの職員が何人か、驚いたような表情で声をかけてくれた。見慣れたスーツ姿ではなく、パーカにサンダルなど一様にラフな格好だ。

 「ゆうべはオークラですか?」と尋ねると、「僕は帰ったけど泊まったやつもいる。今日も夜は長いよ」。

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