「必ず会おうね」と約束を 「うつ病九段」先崎学棋士のアドバイス
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うつ病になって将棋を指せなくなり、約半年間の棋戦休場を余儀なくされた経験があるプロ棋士の先崎学さん(50)。2017年に体調に異変を感じ、闘病生活を経て回復までをつづったエッセー「うつ病九段」(文芸春秋)はベストセラーとなった。復帰を果たした今、コロナ禍で苦しむ人たちに伝えたいことは何かを聞いた。【生野由佳/統合デジタル取材センター】
――体調にどのような異変を感じましたか。
◆誕生日の翌日の6月23日でした。最初は少し頭が重いと感じたのですが、7月に始まる順位戦のプレッシャーかと思っていました。体調は日に日に悪くなりました。
予兆はありました。そのころ日本将棋連盟は対局中のスマートフォンの不正使用疑惑で大揺れでした。先輩たちが築いてきた将棋界の歴史が危うくなると思い、その対応に躍起になっていました。一方で、将棋を題材とした映画「3月のライオン」が封切りになりました。その原作の漫画の監修をしていたので、将棋界のマイナスイメージを払拭(ふっしょく)しようと、イベントや取材、原稿執筆などをほとんど引き受けました。いわば「陰」と「陽」のそれぞれの仕事に大好きな酒を飲むのも忘れるほど、多忙を極めていました。体調に異変を感じたのはちょうど一息ついたころでした。…
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