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#最後の1年

新型コロナに揺れる学生スポーツ界。最高学年の選手は無念や戸惑いを抱きながら「最後の1年」を過ごしています。

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#最後の1年

悪質タックルでどん底の日大アメフト部を支えた、ある決断

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2018年5月、名城大とのオープン戦でベンチで指示を出す平田航暉さん(左手前)。夏にリーグ戦出場停止が決まり、最後の1年の舞台がなくなった=東京都調布市のアミノバイタルフィールドで(本人提供)
2018年5月、名城大とのオープン戦でベンチで指示を出す平田航暉さん(左手前)。夏にリーグ戦出場停止が決まり、最後の1年の舞台がなくなった=東京都調布市のアミノバイタルフィールドで(本人提供)

 日本大アメリカンフットボール部は29日、東西大学王座決定戦「毎日甲子園ボウル」出場権を懸けて、桜美林大と対戦する。21度の学生日本一を誇る名門は2018年に「悪質タックル問題」でリーグ戦出場停止になってから、愛称「フェニックス(不死鳥)」のようにひのき舞台に帰ってきた。その陰には最後の1年を棒に振りながら支え続けたOBの平田航暉(こうき)さん(23)の思いがあった。

 18年8月上旬、東京都世田谷区の日大校舎の一室に当時の4年生が集まった。悪質タックル問題を受け、数日前に出場停止と1部下位リーグへの自動降格が決定。活動休止で帰省していた部員も顔をそろえた。重苦しい空気が流れる中、誰からともなく「どうしようか」と声が上がった。少し間が空き、「引退しかないよな」と1人が答えた。当時、練習や事務の運営を仕切る総務だった平田さんは「あまり詳しく覚えていない。その後もしばらくみんな黙って椅子に座っていて、1時間もしないうちに解散になった」と振り返る。

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