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時事ウオッチ

関西の大学で教壇に立つ気鋭の研究者4人が交代で時事問題について執筆します。

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人ごとでない米国の危機=飯田健

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 アメリカ大統領選挙をめぐる情勢は、投票日から1カ月がたとうとする現在も混迷を極めている。トランプ大統領は陰謀論に基づいて不正選挙を訴え、民主党バイデン氏の勝利を認めない。選挙の前から嫌な予感がしていたが、やはりそうか、という思いである。

 アメリカ政治において選挙をめぐる陰謀論は今に始まったことではない。しかしそれはあくまでネットの掲示板やSNSを中心としたサブカルチャーでの話である。私自身、突拍子もない陰謀論を半ばジョークとして楽しみながら、さすがにこれらの話が責任ある立場の政治家によって語られることはないだろうと楽観視してきた。

 しかし、トランプは違った。トランプが選挙不正を言い出したことで陰謀論がいわば公認され、多くの人々の間での選挙に対する不信感が広がった。実際、ロイターの世論調査によると、共和党支持者の間でバイデンが勝ったと信じる割合は29%に過ぎない一方、トランプが正当に選挙に勝ったと信じる割合は52%に達する。

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