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奈良伝統の陶器、赤膚(あかはだ)焼の窯元「大塩正人(まさんど)窯」の9代目。大塩家では代々、窯を継いだ者が「正人」を名乗る。
赤膚焼は16世紀、郡山城主の豊臣秀長が五条山(赤膚山)に窯を築かせたのが起源とされる。「大塩正人窯」では、19世紀前半から赤膚焼を作っていたとの記録が残るという。
幼少期から祖父の正治さんの焼き物作りを間近で見てきた。美しい乳白色の陶器の上に描かれる鹿やえとの動物。芸術性と親しみやすさが共存する赤膚焼の奥深さに夢中になった。
「焼き物は良い材料が全て」と断言する。窯のある奈良市赤膚町では、良質な土と、焼き物作りの「燃料」となる赤松の両方が調達できる。土は水を混ぜるなどして粘土にした後、さらに粘り気を出すために約2年寝かせる。赤松も燃えやすくするために約5年乾燥させる。
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