日本が参加する史上最大望遠鏡「TMT」 建設難航の理由とその目的とは

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
TMTの完成予想図=国立天文台提供
TMTの完成予想図=国立天文台提供

 日米中など5カ国が米ハワイ島で計画する世界最大級の天体望遠鏡「TMT」の建設が長期間、中断したままだ。なぜハワイに大きな望遠鏡が必要なのか。なぜ建設が進まないのか。地球外生命を探し出す、といった壮大な目的を掲げる天文ファン注目の巨大望遠鏡計画の行方を探った。【柳楽未来/科学環境部】

口径30メートル、なぜハワイ島に建設

 TMTは「Thirty Meter Telescope(口径30メートルの望遠鏡)」の略。計画には日本、米国、中国、インド、カナダが参加する。ハワイ島にある標高約4000メートルのマウナケア山頂が建設予定地で、完成すれば史上最大の天体望遠鏡となる見込みだ。

 「マウナケアは太平洋の孤立した高い山のため、大気が薄くて乾燥しており、望遠鏡を設置するのに適した環境です」。TMTプロジェクトの青木和光・国立天文台准教授はそう説明する。マウナケアには現在、世界各国の13台の望遠鏡が並んでおり、1999年に観測を開始した日本の「すばる望遠鏡」(口径8・2メートル)もここにある。

 地球には、宇宙の天体などから放出された電磁波が降り注いでおり、天体望遠鏡はその電磁波を捉える。人間の目で見られる可視光だけでなく、それより波長が短いエックス線や、波長が長い赤外線や電波なども含まれる。多くの電磁波は大気に含まれる水蒸気に吸収されてしまい、地表まで届かない。…

この記事は有料記事です。

残り1674文字(全文2257文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集