理事長を提訴した女性たちの願い 「ハラスメント容認の風土変えたい」

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社会福祉法人グローと北岡賢剛理事長を提訴した原告の女性2人=東京都内で2020年11月16日午後4時35分、椋田佳代撮影
社会福祉法人グローと北岡賢剛理事長を提訴した原告の女性2人=東京都内で2020年11月16日午後4時35分、椋田佳代撮影

 障害者アートの先駆的な取り組みで知られる社会福祉法人「グロー」の元職員の女性ら2人が、北岡賢剛理事長(62)から長年にわたってセクハラやパワハラ、性暴力を受けたとして損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。北岡氏は福祉業界の第一人者として知られている。原告である元職員の女性は「理事長は法人でも絶対的な存在で、私が我慢すれば働き続けられると思った。屈辱を忘れた日はない。普通に働きたかっただけなのに」と憤る。グローは取材に対して「係争中で答えられない」としている。【椋田佳代】

障害者アートの取り組みで知られる

 障害者アートはフランス語で「正規の美術教育を受けていない作家の作品」を意味する「アール・ブリュット」(生(き)の芸術)の一つとされる。滋賀県内で障害者アートの美術館やグループホームなどを運営するグローは、その取り組みで広く知られている。

 提訴は今月13日。2人は北岡氏とグローに対して計約4250万円の賠償を求めている。訴状などによると、30代の元職員の女性は北岡氏から「好きです」「恋人気分でお願いします」といったメールを受けるようになり、2014年には出張先の北岡氏の部屋で職員ら数人で飲んだ後、女性だけが仕事の用事を理由に部屋に残され、北岡氏から胸などを触られたという。

 女性は被害から1カ月近く、目が覚めると泣いている状態が続いた。「被害に遭ったことはすごく怖かったしショックで怒りもあったが、いつもと変わらない振る舞いをしなければと思った。その二つがずっと心のなかにある状態が続き、本当の自分ではないという感覚が苦しかった」と振り返る。周…

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