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社説

エチオピアの武力衝突 人道危機深刻化の回避を

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 アフリカ東部エチオピアで、政府軍と北部ティグレ州政府を率いるティグレ人民解放戦線(TPLF)との武力衝突が続き、多くの難民が出ている。

 最初にどちらが攻撃したかは不明だが、アビー首相は今月初め、ティグレ州駐屯の政府軍がTPLFによる攻撃を受けたと発表した。州全域に非常事態が宣言され、軍がTPLFを攻撃している。

 エチオピアは東アフリカ最大の約1億の人口を抱え、約80の民族が暮らす。アビー首相のオロモ人が34%と最大で、6%のティグレ人は少数派だ。

 1991年に社会主義政権を倒した武装闘争で、主導的役割を担ったのがTPLFだった。それ以降、TPLFは政治、経済的に優遇されてきた。

 他民族には不満があり、アビー氏は2018年に首相に就くと、TPLF優遇策を廃止した。これに反発したTPLFは政権への参加を拒否し、州と中央の対立が深まっていた。

 今回の衝突で双方に数百人の犠牲が出た。アビー首相は州都メケレへの総攻撃を宣言しており、市民の被害拡大が懸念される。

 隣国スーダンに逃れた難民は4万人を超えた。今後1年間で難民は10万人になるとの指摘もある。ティグレ州は新型コロナウイルス感染者が国内で3番目に多い。難民流出で感染拡大の恐れもある。

 アフリカ連合(AU)が調停に乗り出す姿勢を見せているが、首相は外部からの介入を拒否している。ただ、すでに大量の難民が出ている以上、国内問題として片付けることはできない。

 エチオピア政府軍を支援するため隣国エリトリア軍がTPLFを武力攻撃したとの情報もある。その場合、国際紛争になる危険も高まる。

 アビー首相はエリトリアとの国境紛争を終結させ、昨年、ノーベル平和賞を受けた。ノーベル賞委員会は停戦を求める異例の声明を発表している。首相は平和賞の名を汚さぬよう、人道危機回避を優先し、直ちに停戦すべきだ。

 日本はアフリカ開発会議(TICAD)などを通じアフリカ諸国との結びつきを強めてきた。エチオピアとの関係も深い。停戦を促す外交を期待したい。

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