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オーストリアの古城に残されていた江戸時代の焼き物「古伊万里」が、数奇な歴史をへて里帰りしている。
展示室で目に飛び込んでくるのは、床に置かれた陶磁器片。その数約250個。つややかな白い素地と鮮やかな彩色は、破片になってもなお美しさをとどめるが、元の形すら想像できないほど砕かれた姿に、来場者は息をのむだろう。
古伊万里は江戸時代に生産が始まった磁器の総称。製品を積み出した現在の佐賀県にある伊万里港から名が付いた。ガラス質の釉薬(ゆうやく)を施した日本の磁器はヨーロッパ上流階級の間では「白い金」と評され、一流の調度品として人気を集めた。
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