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社説

政令指定都市の改革 住民参加で多様な議論を

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 「大阪都構想」を巡る住民投票を契機に、政令指定都市のあり方が改めて注目されている。道府県との役割分担や、きめ細かな行政をどう実現するかは、大都市が共通に抱えている問題だ。

 メリットが十分説明できないまま、結論を急ぐような手法では改革は成功しない。住民の意見を反映させ、地域の特性に応じた多様な方策を検討すべきだ。

 都構想の否決を受け、松井一郎大阪市長は大阪市を維持したまま24ある行政区を8に再編し、格上げする「総合区」制度の導入を目指す考えを示した。いきなりの転進である。

 「総合区」では住民行政に関する区の権限が強化される。市議会による条例制定で実現可能で、これまで公明党などが積極評価していた。ひとつの方策だろう。

 だが、区を大幅に減らすのでは住民生活への影響は大きい。吉村洋文大阪府知事と松井氏は大阪市を存続させたまま、条例で府と大阪市の広域行政を一元化することも併せて提案している。

 結局のところ「大阪都もどき」に近づけたいのではないか。都構想否決の責任を取り、松井市長は任期限りで引退する。にもかかわらず、新たな構想を上から押しつける手法を繰り返すようでは、民意をないがしろにするに等しい。

 政令市改革を巡っては、横浜市などは政令市にさらに権限を集中させ、道府県からの独立性を高める「特別自治市」構想を掲げる。二重行政解消は進むが、道府県の機能低下を招き、住民と行政の距離が一層広がる懸念もある。

 府や県と大都市の権限争いは、戦前からの古くて新しい課題だ。旧東京府市は戦時中に再編され、東京市は特別区に解体された。ほかの大都市は1956年に政令市制度が創設され、権限の特例を認められた経緯がある。

 その政令市も現在、20に増えた。道府県との関係や、都市の機能はさまざまだ。一律に改革ビジョンをあてはめるのは難しい。

 行政区の中に自治組織をさらに整備して住民自治を拡充したり、テーマ限定で道府県と政令市が業務を一体化したりするなどの方策を検討すべきではないか。住民が参加した形で、多角的に議論を進めてほしい。

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