佃煮(つくだに)は江戸時代、江戸の名物として全国に広まったといわれる。各地に農水産物を生かした「ご当地佃煮」があり、東京でもスーパーなどで買える。一方で、こだわりの製法で東京都地域特産品認証食品となっている佃煮もある。その製造現場を訪ね、職人の技を垣間見た。【近藤浩之】
江東区東雲(しののめ)にある「佃宝(つくほう) 深川東雲本店」。1957年に創業し、「調味料まで無添加の手作り佃煮」が看板だ。初代の水谷豊夫さん(故人)が生み出した製法を今も受け継いでいる。豊夫さんの妻で2代目の秀子さん(83)が「高度成長期を前に、佃煮は塩辛くて硬くて黒く、ひとすくいでご飯が茶わん1杯食べられるのが当たり前の時代でした」と創業当時を振り返る。「体が頑強でなかった主人は逆に、甘辛で軟らかく色もきれいな佃煮を考えたのです」
初めて店舗を構えたのが、おばあちゃんの原宿、巣鴨だったこともあり、お年寄りも食べやすく体に優しい佃煮を追求したそうだ。
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