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社説

森友問題への政府対応 歯止めかからぬ国会軽視

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 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する公文書改ざん問題で、財務省が国会から求められた資料の提出を拒んでいる。国会を軽んじる異例の事態だ。

 改ざんを指示されて自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫さんが、改ざんの経緯を記したとされる文書だ。元上司が文書の存在を赤木さんの妻に伝えた会話の録音データも残っている。

 国会には、憲法62条に定める国政調査権がある。これを補完するため、少数会派でも活用できる「予備的調査」という制度が衆院規則で設けられている。

 40人以上の議員が要請すれば、衆院調査局長らが官公庁に協力を求めて調査する制度だ。今回は野党議員128人が要請していた。

 改ざんが発覚した2年前の国会で、大島理森衆院議長は「国民に大いなる不信感を惹起(じゃっき)し、極めて残念な状況だ」と政府の対応に懸念を表明した。その際、活用を呼びかけたのがこの制度だった。

 ところが、麻生太郎財務相は、赤木さんの妻と国などの間で民事訴訟が続いているとし、「訴訟に影響を及ぼすべきではないので回答を控えたい」と語っている。

 協力要請に強制力はないが、民事訴訟を理由に要請された資料を出さなかったり、回答を拒んだりした例は過去にないという。財務省の対応は、制度の趣旨や議長の提案をないがしろにするものだ。

 麻生氏や当時の佐川宣寿理財局長らが約1年半の間に、この問題について国会で事実と異なる答弁を139回していたことも調査で明らかになった。

 虚偽答弁の問題は、安倍晋三前首相の「桜を見る会」前夜祭を巡っても表面化している。調査局によると、前首相は事務所の関与や差額の補塡(ほてん)、明細書の存在を否定する国会答弁を計33回していたという。

 内閣は行政権の行使にあたり、主権者である国民を代表する国会のチェックを受ける。権力分立の仕組みだ。

 国会を尊重し、これを機能させるのが内閣の責務だ。虚偽答弁や調査への回答拒否が続けば、国会は本来の役割を果たせない。

 議会は民主主義の土台だ。前政権から続く国会軽視の姿勢を、政府は改める必要がある。

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