会員限定有料記事 毎日新聞
NTTドコモが3日に発表した20ギガバイトで月額2980円の新料金プラン「ahamo(アハモ)」。携帯電話料金の値下げを重要政策に掲げる菅義偉政権の要請に応じた形だ。業界のリーダー格であるドコモが最安値水準を打ち出したことで、各社は今後、さらなる値下げ策を検討せざるを得なくなった。首相がこだわり続けてきた携帯値下げによる家計負担の低減は、今度こそ実現するのか。【本橋敦子、松倉佑輔】
「政府の要請というよりは、切実な競争戦略として打ち出した」。ドコモの井伊基之社長は3日の記者会見で、新料金の設定はあくまで自主的な経営判断であることを強調した。確かに、近年のドコモは価格戦略などで後れを取ることも多く、利用者の流出が続いている。利益水準でもKDDIやソフトバンクに見劣りし、「業界3番手」(NTTの澤田純社長)として巻き返しが急務だった。
ただ、新料金プランの内容をみると、9月の発足後から値下げ要請を繰り返してきた菅政権の逆鱗(げきりん)に触れないよう、周到に練り上げられたものであることが分かる。
新プランは他社からの乗り換えやドコモ利用者のプラン変更の際の事務手数料を無料にした。武田良太総務相が、KDDIとソフトバンクの利用者が傘下の安いサブブランドに移る際の両社の対応について「多額の手数料がかかる。囲い込みだ」と強く批判したことを考慮したとみられる。
また、武田氏は「メインブランドで値下げがされていない」とも言及し、サブブランドだけではなく本体での値下げも求めていた。井伊社長は会見で「サブは作らずにメインだけでプランを複数作っていきたい」と説明。アハモは新たなサブブランドという位置づけではなく、ドコモ本体が値下げした新料金プランであることを強調した。
政府の露骨な値下げ要請に「民業への介入」として反発を示す業界幹部は多い。井伊社長はこの点について聞かれると、「(政…
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