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社説

大企業とベンチャー 成長の芽を摘まぬ関係に

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 大企業とベンチャー企業の取引慣行に関する報告書を、公正取引委員会がまとめた。提携先の大企業が不当な要求を押しつけている構図が明らかになった。

 創業間もないベンチャーにとって、大企業からの出資受け入れや提携は事業拡大の好機だ。

 しかし、共同研究の成果を独占されたり、アイデアを横取りされたりするケースが後を絶たない。

 大企業が出資の引き揚げをちらつかせ、知的財産権の無償譲渡を迫るといった悪質な事例もあるという。

 優越的な立場を乱用する行為が横行し、ベンチャーの成長が阻まれることがあってはならない。

 公取委と経済産業省は、どのような行為が独占禁止法に違反するかのガイドラインを策定する。監視を強化し、ベンチャーの育成に努めてもらいたい。

 国内には有望なベンチャーが少ない。企業価値が10億ドル(約1040億円)を超える「ユニコーン」と呼ばれる未上場企業は、米国や中国でそれぞれ200社を超えるとされるのに対し、日本では数社しかない。

 リスクを取ってベンチャーを支援する投資家が育たなかったことが一因だ。投資規模は米国や中国に比べ桁違いに少ない。

 このため資金調達のハードルが高く、出資者に対して弱い立場に置かれがちだ。

 ただ、ベンチャーには大企業にない発想やスピード感がある。新型コロナウイルスの影響で市場拡大が予想されるオンライン教育や遠隔医療は、強みを発揮できる分野だ。

 大企業や研究機関が単独で技術開発を進めるのではなく、外部の知恵を活用して自社の弱みを補う取り組みも広がっている。

 ベンチャーにとって、大企業の資金力や人材、開発のノウハウを利用できるメリットは大きい。互いの持ち味を引き出せる関係を築く必要がある。

 成果を出すことができれば、雇用や市場を生み出し、経済の底上げにつながる。起業を志す人材が増え、新たな投資の呼び水にもなるだろう。

 こうした好循環を通し、経済の活力を高める取り組みを加速させなければならない。

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