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コロナで変わる世界

<教育編 インタビュー②>出口治明氏が説く歴史に学ぶ重要性 「今はステイホームを」

出口治明・立命館アジア太平洋大学長

 新型コロナウイルスは大学の運営に大きな影響を与えた。大学や学生はコロナ禍をどう乗り切るべきなのか。立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長に聞いた。【聞き手・柳澤一男】

――新型コロナウイルスが拡大する中、2020年度が始まりました。

 ◆最初に慌てたのは2月27日に、安倍晋三首相(当時)が全国の小中学校を休校にすると述べた時だ。APUは開学20年で、職員の平均年齢は40代半ばの子育て世代だ。大学は3月が一番忙しい。卒業、入学認定をするのに必要な個人情報は簡単には持ち出せず、テレワークへの準備もすぐにはできない。そこで、子連れ出勤を始めた。会議室の中央を子どものスペースにして、本などを置き、その周囲に父母である職員が集まって仕事をした。実際に試したら、ほとんど能率が下がらなかった。そのため、この方法を恒久化しようと考えている。

 またコロナで、学生のアルバイト先がなくなった。APUがある大分・別府は観光が主産業。多くの学生がアルバイトをしていた旅館やその周辺の飲食業が4、5月はほとんど休業した。学生の大半が金銭的に困り、食事も十分に取れない。そこで、卒業生と教職員有志で「APUハンズ」という団体を立ち上げて、食糧支援を始めた。資金を集めて、米や小麦を買っては学生に渡す。これが地元で報道され、さまざまな方から米や乾麺などを寄贈していただいた。21年3月までこの活動を続けるつもりだ。

 ――APUは学生約6000人中、半分の約3000人が留学生で、国内で最も留学生の割合が多い大学です。影響は大きかったですか。

 ◆留学生は授業料を払っているのに、日本に再入国できない状態だった。でも、大学だけでは何もできない。政府の審議会の委員をしているので、首相官邸などで直訴した。政府も動いてくれて、8月からは在学生の再入国が可能になり、10月からはビザの発給が再開され、ビジネス客と留学生は最優先されることになった。それでも、いまだに留学生1000人が大学に戻って来られない。一律10万円の特別定額給付金も、住民登録をしている留学生は受け取れるが、本国に帰っている学生は手続きができない。別府市役所や総務省に相談して、僕が代理で申請するという形を認めてもらった。市役所、県庁、政府にそれぞれ相談して助けを求めないと留学生を守れないと痛感した。

 ――APUは全面的にオンライン授業を導入しましたが、メリットはありました…

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