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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。

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学術会議問題 菅首相の発言「1949年から推薦で会員選出」は不正確

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ファクトチェック不正確
ファクトチェック不正確

 日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否を巡り、菅義偉首相は4日の記者会見で、会員選出方法について「そうした方(会員、連携会員)の推薦がなければ、これ、なれないわけでありますから。これは1949年ですかね、この組織ができてから」と発言した。しかし、49年の学術会議の設立当時、会員選出方法は推薦ではなく選挙制だった。会員と連携会員の推薦による会員選出は2004年の日本学術会議法の改正で導入されたものだ。学術会議が49年から推薦によって会員を選出していたとする菅首相の発言は不正確だ。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】

 菅首相は会見で、京都新聞の記者から任命拒否に対する学術界からの反発について問われ、「日本に研究者と言われる方が90万人いらっしゃいます。その中で学術会議に入られる方というのは、まさに現職の会員の方が210人おります。連携会員の方が2000人おります。そうした方の推薦がなければ、これ、なれないわけでありますから。これは1949年ですかね、この組織ができてから。ですから多くの関係者の方がたくさんいて、新しい方がなかなか入れないというのも現実だというふうに思っています」と答えた。

 日本学術会議の設立70周年記念展示の資料などによると、49年の設立当初、学術会議の会員は全国の科学者による直接選挙で選ばれていた。立候補者を募…

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【学術会議任命拒否】

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